ショパンの15曲のワルツは、ワルツ本来の舞踏音楽としての性格をほとんど持っていない。この嬰ハ短調の曲も、むしろマズルカに近いリズムをとって書かれた感覚的な叙事詩であり、暗く内向的な激しさと、静的な慰めを持った、かなり自由な三部分形式からなる、彼の晩年に近い佳作である。

・・・・・・・・・・全音楽譜出版社 曲目解説より